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JavaScript(ジャバスクリプト)向け超高速ランタイム(実行環境)「Bun(バン)」の開発チームは、Anthropic(アンソロピック)のAIコーディング支援ツール「Claude Code(クロード・コード)」を活用し、プロジェクト内に存在していた約53万行のシステムプログラミング言語「Zig(ジグ)」で書かれたコードを、メモリ安全性に優れた「Rust(ラスト)」へと全面的に書き換える移植作業を完了したと発表しました。この大規模なコードベース移行は、エンジニア1人がAIツールを監視・連携する形で進められ、わずか11日間という驚異的な短期間でテストを100%クリアすることに成功しました。
Bunは当初、開発者のジャレッド・サムナー(Jared Sumner)氏によってZig言語を用いて立ち上げられ、その高速性が高く評価されてきました。しかし、Zigでの開発が進むにつれてメモリ管理に起因するバグが多発し、バグ修正リストが肥大化。開発チームは、プログラム実行時の安全性をコンパイル時に保証できるRust言語を採用することで、長期的なコードの保守性と安定した実行環境の確保を選択しました。
通常、53万行を超えるコードを別のプログラミング言語へ移植するには、小規模な開発チームでも開発を一時凍結した上で丸1年はかかると想定されていました。しかしサムナー氏は、AIモデル「Claude Fable 5」のプレリリース版およびClaude Codeを駆使して変換プロセスを自動化。バグやテストエラーをAIにレビューさせながら修正を繰り返すことで、わずか11日間で主要プラットフォームにおける全テストスイートの合格を達成しました。
このRustへの全面移行の発表を受けて、Zig言語の創始者であるアンドリュー・ケリー(Andrew Kelley)氏が自身のブログで苦言を呈しました。ケリー氏は、Bunの開発体制がその場しのぎのハック(応急処置)やアサーション(前提条件チェック)に頼り、技術的負債の解消やバグ修正を怠ってきたことを指摘し、今回のRust移行自体を歓迎しつつも開発姿勢を批判。これに対してサムナー氏はHacker Newsなどで証拠となるファジングテスト(ランダムなデータを入力してバグを検出する自動テスト)のコードを示し、ケリー氏の主張に反論する事態となっています。
今回のBunにおけるRust移行の成功(実績)は、AIエージェント(自律的にタスクを遂行するAIプログラム)を利用した「エージェントエンジニアリング」が、大規模ソフトウェアの開発や言語移植といった高難度のタスクにおいて実用レベルに達していることを示しています。Bunは今後、Rust版を基盤としてさらなる高速化とメモリ削減を進めたv1.4のリリース(更新版の公開)を目指すとしており、開発効率がAIによって飛躍的に向上した好例として業界の注目を集めています。