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米Anthropic(アンソロピック)は、同社独自のガバナンス(企業統治)を監督する独立機関「Long-Term Benefit Trust」(LTBT、長期的な利益のための信託)の新たなメンバーとして、元米連邦準備制度理事会(FRB)議長でノーベル経済学賞受賞者のベン・バーナンキ(Ben Bernanke)氏を任命しました。マクロ経済のかじ取りを担ってきた経験を生かし、AIが経済や労働力に及ぼす影響についての分析・対応を支援します。
LTBTは、商業的な成功と社会的公共利益の両立を目指す公益企業(Public Benefit Corporation = PBC)として設立されたAnthropicが、独自のガバナンスを維持するため設けた組織です。メンバーは同社株を保有せず利益配分も受けないため、経営陣や株主から独立して「先進的AIの責任ある開発と維持」が守られているかを監督します。最終的には取締役会の過半数を選任・解任できる極めて強い権限を持ちます。
バーナンキ氏は2006年から2014年までFRB議長を務め、世界金融危機の最中に対策を主導、2022年には金融危機研究の功績でノーベル経済学賞を受賞しました。共同創業者のダニエラ・アモデイ社長は「AIは現代史上最も大きな経済的影響を及ぼす技術になり得る」として、バーナンキ氏の判断力がその影響を予測・制御する上で決定的な価値を持つと述べています。
就任により、LTBTのメンバーは地球規模の保健、安全、法律、経済などに精通する4名体制となりました。単なる技術的なAIの安全対策(アライメント)に留まらず、国家や企業全体の持続可能性に直結する「AIとマクロ経済」のガバナンスを本格化させる試みとして、他のAIスタートアップの企業統治にも影響を与える可能性があります。
引用元:ITmedia NEWS | GIGAZINE