AI関連の最新ニュースをピックアップ
Microsoft、Google、AmazonなどによるAI(人工知能)データセンターの急速な構築が進む中、各社が公表している水消費量は実態の一部に過ぎないという懸念が浮上した(米Wall Street Journalが報道)。冷却に必要な直接的消費量だけが公表されるケースが多く、送電元で使われる「間接的消費量」を含めると実際の水消費量はその十数倍に達する可能性があると指摘されている。
データセンターの水消費には、施設内で直接使用する「直接的消費」と、データセンターへの電力を供給する発電所側で使われる「間接的消費」がある。ローレンス・バークレー・ナショナル・ラボラトリーの2024年の分析によれば、米国における間接的消費量は直接消費量の約12倍に達する。現在、この間接的な水消費量を開示している大手テック企業はMeta(メタ)のみであり、同社の2024年の間接消費量は190億ガロン(直接消費の20倍以上)に達していたという。
新設データセンターの約3分の2は、米アリゾナ州フェニックスなどの水不足が深刻な「水ストレス地域」に集中している。再エネ購入などの相殺(オフセット)プログラムは、地域的な水不足を直接解決するものではなく、2031年までにフェニックスのデータセンター水需要が市全体の20%を超える可能性が懸念されている。対策としてNVIDIAの「閉ループ冷却システム(水を追加補給しない冷却技術)」の採用などが進むが、既存施設の改修コストは高額である。
AIモデルの大規模化に伴う環境負荷として電力(二酸化炭素排出)だけでなく、データセンターの「水資源への負荷」も世界的な規制や批判の対象になりつつある。今後、テック企業には直接消費だけでなく間接消費を含めた透明性のある情報開示と、閉ループ冷却などの徹底した節水技術の導入が義務付けられていくと見られる。
引用元:末岡洋子