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物理セキュリティ(防犯カメラやセンサーなどを用いた実地のセキュリティ)を手掛ける米Verkada(ベルカダ)社は、NVIDIAから出資を受け、技術提携を締結したと発表しました。この提携により、Verkadaが世界中で展開する約240万台のクラウド接続デバイスで稼働する「Physical AI(フィジカルAI:現実世界のデータを認識・処理するAI)」の高速化と精度向上を目指します。なお、出資額の詳細は公表されていません。
技術提携の核心には、NVIDIAの2つの主要な製品群があります。一つは現実世界を理解し予測するための基盤モデル群である「Cosmos(コスモス)」ファミリー、もう一つは、トレーニング用データのギャップを埋めるための合成映像を生成するツールキット「Physical AI Data Factory」です。Verkadaはこれらを導入し、数千時間に及ぶ防犯録画から特定の人物や物体、特定の瞬間を特定するビデオ検索モデルの構築と性能向上に活用します。
すでに提携による成果が出始めており、Verkadaによると、動画内の時空間クエリ(「いつ・どこで何が起きたか」の検索)に関するベンチマーク評価で、平均精度(mAP)が従来に比べて68%向上したと報告されています。さらに両社は、複数のAIモデルを組み合わせた「検索エージェント」の開発や、工場での危険シーン検知、店舗での万引き防止といった高度なシーン解釈を行う「推論(思考して判断を下すプロセス)モデル」のテストも進めています。
Verkadaは2025年末にAlphabet傘下のCapitalGから出資を受け、評価額が58億ドルに達した有力なスタートアップです。今回のNVIDIAとの提携は、NVIDIAが進める「ロボティクスや自動運転、スマートファクトリーなどのフィジカルAI領域への注力戦略」と、膨大な映像データを蓄積するVerkadaのニーズが合致した結果と言えます。監視カメラや産業用センサーのインテリジェント化がさらに加速し、よりスマートで安全な社会インフラの実現に向けた動きが進むと見られます。
引用元:SiliconANGLE