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米Meta(メタ)は、AI(人工知能)搭載スマートグラス「Ray-Ban Meta(レイバン・メタ)」の一部機能において、無料での利用時間を制限し、制限解除には有料サブスクリプション(定額課金サービス)への加入を求めるように公式ヘルプページを更新しました。制限の対象となったのは、周囲の雑音を抑えて対話相手の声をクリアにする「Conversation Focus(会話フォーカス)」機能で、無料での利用は月3時間までに制限され、追加利用には月額19.99ドル(約3,200円)の「Meta One Premium」への加入が必要となります。
Conversation Focusは、スマートグラスに搭載されたマイクで正面の話し手の声を拾い上げ、AI技術を用いて周囲の雑音を劇的に低減することで、騒がしい場所でもクリアな会話を可能にする機能です。無料ユーザーの月3時間という枠は、日常的に長電話や対面での会話アシストとして使うには非常に短い制限です。有料プランの加入者は利用枠が月15時間まで拡張されますが、それでも上限が設けられており、未使用分の時間を翌月に繰り越すことはできません。
本機能は、スマートグラスの端末内部で処理を完結する「オンデバイス(クラウドのサーバーを介さず端末上で処理する仕組み)」で動作し、オフラインでも使用可能です。Meta側のサーバー通信コストが発生しない機能であるにもかかわらず、高額な本体(約224ポンド=約4万5,000円から)の購入後に月額19.99ドルの追加サブスクが必要となる点について、海外のRedditなどのコミュニティでは「デバイスの価値を損なう」と強い批判が上がっています。また、この音声強調機能は聴覚が弱いユーザーへの支援機能としても機能するため、アクセシビリティ(障害を持つ人への配慮)の観点からも懸念の声があります。
競合となる米Apple(アップル)は、ワイヤレスイヤホン「AirPods Pro 2」などにおいて、同様に正面の話し手の声を強調する「Conversation Boost(会話強調)」機能を完全無料で提供しており、追加料金や時間制限は一切ありません。こうした他社製品の無料提供と比較しても、Metaの有料課金アプローチは目立つ形となっています。
Metaはウェアラブルデバイス単体の販売だけでなく、有料サブスクリプションによる継続的な収益化(マネタイズ)を模索していると見られます。しかし、端末単体で動作する実用的な機能をサブスクで制限する手法はユーザーの反発を招きやすく、今後のスマートグラスの普及やMeta Oneサブスクリプションの加入促進において、裏目に出る可能性もあると見られています。