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オーストラリアのAIインフラ企業「Firmus Technologies(以下、Firmus)」は、米半導体大手NVIDIAおよびシンガポールを拠点とするDayOneと提携し、インドネシアのバタム島に360MW規模のAIデータセンター「NVIDIA DSX AI Factory」を建設します。この施設は2027年第1四半期に稼働を開始する予定で、Firmusは2027年から2028年にかけて最大17万基のNVIDIA製AIアクセラレータチップ(GPU)を確保しており、最初の6年間で最大300億ドルの売上を見込んでいます。
新施設はシンガポール沖のバタム島に位置し、DayOneが建設を担当しています。オーストラリアでの同社のプロジェクトは主に大規模なハイパースケーラー(巨大クラウド事業者)向けに設計されているのに対し、バタム島のデータセンターは複数のAIスタートアップや中堅開発企業が共同で利用できる「マルチテナント方式」を採用している点が大きな特徴です。
FirmusとNVIDIAの8年間にわたる提携に基づき、レベニューシェアおよびクレジットサポートの合意を通じて最大17万基のGPUへのアクセスが保証されます。これにより、Firmusは稼働開始から最初の6年間で、確定した計算力や電力の購入契約(オフテイク合意)から250億~300億米ドルの売上高を得る見込みです。
Firmusは2019年にタスマニア州でビットコインマイニングとして設立されましたが、アジア太平洋地域での急激なAI需要を取り込み、AIインフラ企業へと転身しました。同社は2026年4月の資金調達ラウンドでNVIDIAなどの出資を受け、評価額が55億米ドルに達しており、2026年中の新規公開株(IPO)も準備されていると報じられています。
バタム島はシンガポールに隣接する地理的優位性から、東南アジアにおける新たなAIインフラのハブとなりつつあります。今回の提携は、昨今のAI市場における株価やチップ需要の短期的な変動に関わらず、実需に基づいた堅実なインフラ投資が継続していることを示しています。最大17万基ものGPUが配備されることで、東南アジア全域におけるAI開発の加速が期待されます。