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NVIDIAは、ドイツのハンブルクで開催されたスーパーコンピューティング学会「ISC High Performance 2026」において、量子化学、材料探索、天体物理学といった先端科学分野の計算ワークロードを劇的に高速化する新しいAIソフトウェアライブラリ群を発表しました。これらは高性能計算(HPC)向けソフトウェアスイート「CUDA-X」に統合されます。
「cuPhoton」リファレンスコードは、望遠鏡などの超巨大観測データをGPUで高速処理するためのもので、Rubin天文台のカメラデータ処理において速度を約1万4,900倍高速化しました。また、データ収集ライブラリ「DAQIRI」は、CERNの衝突実験などに採用されました。ホストCPUを経由せずにGPUメモリへ直接データを転送する技術により、リアルタイムのAI推論を用いて重要な物理シグナルを漏らさず捕捉できます。
材料工学向けには、バッテリーや半導体、触媒などの開発サイクルを短縮する開発者ツールキット「NVIDIA ALCHEMI NIM」が提供されます。分子構造の最も安定した配置を割り出す構造緩和や、原子配列の時間的変化をシミュレートする分子動力学といった専用のマイクロサービスを含んでおり、材料スクリーニングの速度を50倍、磁性評価を30%高速化させた実例が報告されています。
これまで科学研究における複雑な数値シミュレーションは、スパコンを占有して何時間もかけて計算を行うのが一般的でした。NVIDIAが発表した新ライブラリ群は、これらのワークフローをGPUアクセラレーションによってリアルタイム処理に移行させ、宇宙論から新素材開発、バイオサイエンスに至るまで研究のリードタイムを大幅に圧縮します。