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スーパーコンピュータの性能を示す世界ランキング「TOP500」の2026年6月版(第67回)が、ドイツで開催中のHPC国際会議「ISC 2026」にて発表されました。首位を獲得したのは、初登場となる中国のシステム「LineShine(凌勝/灵晟)」。LINPACKベンチマーク性能において約2.198ExaFlops(エクサフロップス)を達成し、人類史上初めて「2エクサフロップス」の壁を突破したシステムとなりました。
LineShineの最大の特徴は、NVIDIA等のGPUアクセラレータを用いず、Armv9ベースの自社カスタムCPU「LX2」のみでシステムを構築している点です。1CPUあたり304コアを搭載した「LX2」を1ノードあたり2つ装備し、システム全体で1,378万9,440コアという極めて巨大な規模を有します。各CPUダイにはHBMや専用SDMAエンジンが統合されており、メモリ階層間での超高速なデータ移動を実現することで、GPU非搭載ながら圧倒的なLINPACK性能を引き出しています。
今回のランキングにより、世界のエクサスケールスパコン(1ExaFlops以上)は計5システムとなりました。2位は前回首位だった米国の「El Capitan」(1.809ExaFlops)、3位は米国の「Frontier」(1.353ExaFlops)、4位は米国の「Aurora」(1.012ExaFlops)、5位は欧州の「JUPITER Booster」です。なお、日本の「富岳」は前回7位から9位へ後退しています。
中国製スパコンがTOP500の首位に返り咲くのは2017年以来であり、米中ハイテク摩擦が激化する中でも、中国が自社設計のArmプロセッサを用いて世界最速のスパコンを内製できる能力を実証した形になります。特に高性能AI用GPUの対中輸出規制が敷かれている現状において、アクセラレータに依存しない高性能計算設計の有効性を示したことは地政学的にも大きな意味を持ちます。