AI関連の最新ニュースをピックアップ
AMDは、予測型メモリ技術とAI駆動型メモリ階層化ソフトウェアに強みを持つスタートアップ企業「MEXT」を買収したことを発表しました。MEXTは、低コストなNANDフラッシュストレージを予測アルゴリズムによってDRAMのように動作させ、処理性能を維持したままシステム全体のメモリ容量拡大とインフラコストの削減を実現する技術を開発しており、AIの物理的ボトルネックである「メモリの壁」を攻略する狙いがあります。
MEXTが開発した技術は、安価なフラッシュストレージをOSに対してDRAMのように認識させることで、DRAMの約50分の1というコストで大容量メモリ環境を実現します。
AIシステムの処理効率は、GPUや超高速な広帯域メモリ(HBM)のデータ移動速度に依存しています。AMDのAIアクセラレーター「Instinct MI300」等もHBMを搭載していますが、メモリのコストや容量制限が課題でした。MEXTの技術統合により、消費電力あたりの性能向上を図ります。また、NVIDIAの「CUDA」に対抗するため、オープンソフトウェアプラットフォーム「ROCm」へのMEXT技術の統合を進めています。
大規模モデルやエージェントモデルの高度化に伴い、AIシステムに必要なメモリ容量は増加していますが、高速なDRAMやHBMのみでこれを用意するとコストが跳ね上がります。AMDによるMEXTの買収は、ソフトウェアによるインテリジェントなメモリ制御で物理的な「メモリの壁」を解決するアプローチとして大きな意義を持ち、有力な代替選択肢としての存在感を高めることになるでしょう。