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アリババグループ(Alibaba Group Holding)は、企業向けコミュニケーションアプリ「Dingtalk(釘釘)」の経営陣を交代させました。CEO(最高経営責任者)兼共同創設者である陳航(Chen Hang)氏が退任し、後任として技術者の陳宇森(Chen Yusen)氏が就任します。今回のリーダーシップの交代は、Dingtalkにおける今後のAI(人工知能)戦略や部門の管理体制を巡り、社内で議論や批判が発生したことを受けて決定されました。
Dingtalkは、対話型AI「ChatGPT」登場後のアリババにおけるAIシフト推進において極めて重要な役割を担っています。陳航氏のもとで多数のAI機能がリリースされましたが、その方針は焦点が絞られていないという批判が社内で上がっていました。さらに、最近退職した従業員が社内フォーラムでバーンアウト(極度の心身疲労)について投稿したことをきっかけに、同部門の体制に対する不満が表面化しました。
従業員の投稿を受け、アリババの最高経営陣は異例の対応を取りました。最高経営陣は別個の社内メモを通じて、Dingtalk部門の管理スタイルに対して珍しく厳しい叱責を行ったとされています。この動きを経て、地元メディアの「36 Kr」などが陳航氏の退任を報じるに至りました。なお、この発表があった6月11日の香港株式市場において、アリババの株価は最大で5.9%下落しました。
陳航氏は2014年にDingtalkの立ち上げを主導し、テンセント(Tencent Holdings)などの競合に対抗する企業向けソフトウェア事業の基盤を築いた人物です。一度アリババを離籍したものの、AI時代に合わせたDingtalkの改革を指揮するために昨年復帰したばかりでした。
アリババのAI戦略で主導的な役割を果たすDingtalkは、新CEOである陳宇森氏のもとで新たな方向性を模索することになります。社内での管理体制への批判とAI機能開発の軌道修正を迫られる中、アリババ全体のAIシフトがどのように推移するかが注目されます。