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米国による対中輸出規制強化の中、NVIDIA製GPUを搭載したAIサーバーが非合法に中国へ流入する「密輸問題」が相次いで発覚しています。2026年3月には、台湾Super Micro Computer(SMCI)の共同創業者であり事業開発担当上級副社長のYih-Shyan Liaw氏を含む3名が、対中密輸に関与したとして米国当局に起訴されました。さらに5月には、別のルートで日本を経由し中国へSupermicro製AIサーバーを不正輸出しようとした未遂事件が、台湾の検察当局によって明らかにされました。
3月に起訴された件では、Liaw氏の他に台湾オフィスのセールスマネージャーであるRuei-Tsang Chang氏、および同社契約社員のTing-Wei Sun氏の計3名が関与しており、密輸額は数十億ドル規模に上るとされています。これは2022年に対中輸出規制が開始されて以来最大規模です。SMCIはLiaw氏らを処分し、同氏の取締役会辞任を発表しました。
また5月には、台湾の検察当局が日本を経由して中国に高機能サーバーを密輸しようとした別の事件を公表しました。差し押さえられた機材はSupermicro製のAIサーバーであったことが確認されています。同社自体が組織的に密輸を行ったわけではないものの、創業者の関与や自社製サーバーが繰り返し悪用されている事実から、販売管理やガバナンス体制の甘さが厳しく指摘されています。
米中間のAI覇権争いにおいて、NVIDIA GPUなどの高性能半導体の管理体制は安全保障上の最重要課題となっています。Supermicro製品をめぐる一連の不正流出は、同社のみならず、NVIDIA製チップを組み込んだシステムを提供するベンダー全体におけるサプライチェーン・コンプライアンスの再構築を迫る事態となっています。