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エネルギー技術サービスの最大手であるSLBと、半導体大手のQualcomm Technologies(クアルコム)は、エネルギー業界向けにエッジAI(デバイス側で直接データを処理する技術)およびIoT(モノのインターネット)ソリューションを共同開発するための基本合意書(MOU)を締結しました。この提携により、通信が制限された遠隔地の油田オペレーションや各種エネルギーインフラにおける、リアルタイムな意思決定の迅速化と自律的ワークフローの構築を支援します。
油井や海上プラットフォームなどの複雑なエネルギー現場は、通信環境が不安定な遠隔地に位置することが多く、データをクラウドに送信して処理する従来の手法では通信遅延や接続遮断が大きな課題となっていました。デバイスの近くで処理を行うエッジAIを導入することで、ネットワーク接続が途切れても遅延のない頑健な運用を継続できるようになります。
今回の提携では、SLBのエネルギー現場向けエッジAIおよびIoTプラットフォーム「Agora」に、クアルコムの省電力エッジコンピューティングおよびAI処理技術を統合します。これにより、電力供給や通信性能が非常に厳しい過酷な産業環境でも稼働する、実用性の高いエッジAIソリューションの製品化を目指します。
共同開発プロジェクトでは、既存のレガシーな運用環境を最新化するだけでなく、OT(物理制御を行う運用技術)システム全体のサイバーセキュリティ体制を強化することも焦点となっています。自動化や自律運用の拡大に伴い、セキュリティの確保は不可欠な前提条件となっています。
エネルギー現場におけるデジタルトランスフォーメーションは急速に進展しており、今回のSLBとクアルコムの協業はその実用化を大きく加速させる動きであると言えます。低電力で稼働する強力なエッジAIチップセットと専門特化したプラットフォームが統合されることで、従来は困難だった「完全自律型」のスマート油田や効率的な施設管理の実現に寄与すると見られます(編集部注: 現場での高度なAI処理の本格稼働には、環境の過酷さから長期的な実証実験や段階的な移行期間が必要になると予想されます)。