AI関連の最新ニュースをピックアップ
エンジニア向けの人材サービスを展開するTWOSTONE&Sonsは、直近6カ月以内に開発業務で生成AIを使用したエンジニア108人を対象に、業務内容の変化に関する実態調査(2026年5月7日〜8日実施)を公開しました。調査によると、回答者の87.1%がAI導入に伴う業務変化を前向きに捉えていることが分かりました。テスト実行などの定型作業(ルールに沿った反復作業)が減少する一方で、約7割が「プロンプト(AIへの指示文)の設計」や「AI生成コードの検証」といった新たなタスクの発生を実感しており、開発現場での役割シフトが急激に進んでいます。
AIツールの普及により、開発現場での工数配分が大きく変化しています。調査では、時間が減少したタスクの筆頭として「テスト実行、結果確認」(38.9%)が挙がり、「テストコードの作成」や「定型的なコーディング(一からコードを書き出す作業)」がそれぞれ38.0%と続きました。
一方で、回答者の72.2%が「新たに発生・増加した業務がある」と回答しています。具体的な内容は「プロンプトの設計・最適化」(52.6%)が最も多く、「AI生成コードの統合やリファクタリング(動作を変えずにプログラムの内部構造を整理すること)」(41.0%)、「AI出力物のレビューや品質確保」(38.5%)が上位を占めました。
開発者の役割が「一から書く人」から「AIの成果物を評価する人」へ変わる中、求められるスキルも変化しています。今後の必須スキルとして、最も多くのエンジニアが「AI出力の正確性を評価・検証するスキル」(60.2%)を挙げました。続いて「上流工程の設計力(要件定義やアーキテクチャ設計など)」(43.5%)、「AIツールを使いこなすスキル」(39.8%)となっています。
87.1%のエンジニアがこの変化を歓迎する理由として、「単純作業からの解放」(59.6%)や「生産性の向上」(54.3%)を挙げています。一方で、約1割の否定的な回答者からは「新しいスキルの習得が追いつかない」といった焦りの声もあり、二極化の兆候も見られます。
AIツールの普及は、エンジニアを単なるコーディング作業から解放し、システム全体の設計やAI出力の検証といった高付加価値な役割へシフトさせる契機となっています。これにより、短サイクルのプロジェクトが急増し、マルチタスク化が進むと予想されます。
編集部注:今後は、プログラミング言語の構文を暗記していることよりも、AIが生成したプログラムのバグを見破る「検証能力」や、ビジネス要件を的確な構造に落とし込む「上流のアーキテクチャ(システム設計)能力」が個人の市場価値を決定づけると考えられます。また、企業側にとっても、AI出力を安全に統合するための新しい品質管理プロセスの整備が競争力の鍵となるでしょう。