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米Microsoftは2026年6月2日、独自開発の新しいAIモデル群「MAI」シリーズから計7モデルを一挙に発表しました。その中核となる推論(論理的な思考を行う)モデル「MAI-Thinking-1」は、数学問題解決などの高度なタスクにおいて、競合するAnthropicの「Claude 4.6 Sonnet」に匹敵する性能を持つとアピールされています。今回の発表には、コーディング支援や画像生成、文字起こし、音声合成などの特化型モデルも含まれており、同社はこれらをAPIや開発プラットフォームを通じて順次提供していく計画です。
「MAI-Thinking-1」は、総パラメータ(AIの規模を示す指標)数が1兆、常時稼働するアクティブパラメータ数が350億のMoE(複数の専門AIモデルを組み合わせる手法)構成を採用しています。学習データには、ライセンスのクリーンなデータのみを使用し、他社モデルからの蒸留(大モデルの知識を抽出して移植する技術)を行わずに構築された点が特徴です。さらに、Microsoft独自のAIチップ「Maia 200」を搭載した内製インフラでトレーニングを行っています。
数学的な思考能力を測るテスト「AIME 2025」では「Claude 4.6 Sonnet」を上回るスコアを記録しました。その他の一般的なベンチマークでは下回る項目もあるものの、1,276の多様なタスクに対する人間による評価で、Claude 4.6 Sonnetよりも高い性能であると評価されたとしています。
今回発表された残りのモデル群の概要は以下の通りです。
Microsoftが1兆パラメータクラスの推論モデルから軽量モデルまでを揃えて発表したことは、同社がAIモデル開発における自立路線を急速に強化していることを示しています。これまではOpenAIとの強固なアライアンスや他社モデルのAzure上での提供が目立っていましたが、自社製AIアクセラレータ(AI処理に特化した半導体)「Maia 200」を用いた内製モデル群を拡充することで、インフラからアプリケーションまでを自社テクノロジースタックで完結させる姿勢が鮮明になりました。特に、競合であるAnthropicのClaudeシリーズを明確にターゲットとして見据えて優位性をアピールしていることから、今後の先端AIモデル市場における主導権争いはさらに激化するものと見られます。