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AIスタートアップ大手のAnthropic(アンソロピック)が、計画中のIPO(新規株式公開)に向け、米金融大手のモルガン・スタンレーとゴールドマン・サックスを主幹事に指名したことが、関係者の証言としてBloombergなどで報じられました。本案件にはJPモルガン・チェースも参画しているとされています。同社は2026年6月1日にSEC(米国証券取引委員会)へS-1登録届出書(上場準備のための申請書類)の草案を非公開で提出したばかりで、早ければ同年10月にも株式上場を果たす可能性があります。
関係者によると、主幹事となる金融機関は今後さらに追加される可能性があるとされています。上場に向けた準備が進む背景には、同社の急激な成長と評価額の上昇があります。Anthropicは上場発表のわずか4日前の5月27日、シリーズH(スタートアップの資金調達段階を示す区分)ラウンドで650億ドル(約10兆円)を調達したと発表しました。これにより、同社のポストマネー評価額(投資受け入れ後の企業価値)は9,650億ドルに達し、世界で最も価値のあるAIスタートアップとしての立場を明確にしています。この調達には、Amazonからの50億ドルを含むハイパースケーラー(大規模クラウド事業者)からの資金調達150億ドルが含まれています。同社の評価額は、2025年9月のシリーズF時点で1,830億ドル、2026年2月のシリーズG時点で3,800億ドルとなっており、短期間で急騰しています。
同社がIPOを進める背景には、競合他社との市場覇権争いがあります。最大のライバルとされるOpenAIも、モルガン・スタンレーおよびゴールドマン・サックスと共にIPO目論見書の策定を進めており、早ければ2026年9月の上場を目指しています。OpenAIの直近の評価額は8,520億ドルと報じられており、サム・アルトマンCEOが早期上場を推進するおそれがある一方、サラ・フライヤーCFOが慎重姿勢を示しているとされています。また、2026年2月にxAIを買収したSpaceXも、5月20日に上場申請書を提出しました。同社は、AI市場における勝敗はソフトウェアではなく、エネルギーや半導体、通信といったインフラの保有によって決まるという独自のビジョンを提示しています。
Anthropicが非公開での上場申請に続き、大手金融機関を主幹事に指名したことは、具体的な上場プロセスが着実に前進していることを示しています。同社の9,650億ドルという評価額はOpenAIの直近の評価額を上回る規模であり、市場の期待の大きさが伺えます。2026年秋以降に予想されるOpenAIやSpaceX(xAI)とのIPO競争は、AI分野における主導権争いを決定づけるだけでなく、世界の株式市場における資金の流れを大きく変える可能性があると見られています。(編集部注:市場環境の変化によっては、上場時期や取引条件が変更される可能性もあります)。