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米NVIDIA(エヌビディア)は、映像配信やポストプロダクション(撮影後の編集作業)、ライブ動画処理の効率化を図る「NVIDIA AI for Media」の主要な製品アップデートを発表した。今回のアップデートでは、放送通信の標準規格である「SMPTE ST 2110(放送業界で用いられるIPネットワーク上のメディア伝送規格)」に準拠した新しい「NIM(NVIDIA Inference Microservices。最適化されたAI推論モデルを迅速にデプロイできるコンテナ群)」が導入された。また、AI生成動画の検出や多言語対応のリップシンク(話者の口の動きを音声と同期させる技術)、複数カメラによる話者自動追跡などの新しいAIモデルや機能が追加され、提供が開始された。
NVIDIAは、放送やライブ配信の既存パイプラインへAI機能をシームレスに統合するため、SMPTE ST 2110に準拠した以下のマイクロサービスを発表した。
さらに、今月後半には、Python wheelパッケージの更新や「ComfyUI(ノードをつないで画像や動画を生成するUI環境)」との統合を含む「RTX Video Super Resolution 2.0(VSR 2.0)」の展開強化が予定されている。
メディアの信頼性(真正性)を担保するため、映像がAI拡散モデルによって生成された確率を予測する「Synthetic Video Detector(SVD。AI動画検出技術)」が発表された(現在プライベートアクセスで提供)。この技術は非圧縮動画において92%の検出精度を持ち、最短22ミリ秒でフレーム処理を実行できる。
NVIDIAが放送・メディア向けのAI機能を、業界標準規格であるSMPTE ST 2110に対応するNIMの形で提供し始めたことは、テレビ局や配信プラットフォームの現場におけるAI導入のハードルを大きく下げると期待される。リアルタイムでのノイズ低減や超解像、AI動画の真正性検証、自動リップシンクなどの技術は、人手不足が指摘される映像・番組制作現場の省力化とクオリティ向上に寄与すると見られる。今後は、放送システム全体のIP化・ソフトウェア化と並行して、こうしたエッジおよびクラウドでのAI活用がさらに一般化していくと予想される。