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NVIDIAは、物理世界において自律的に行動する人工知能である「フィジカルAI」向けの世界基盤モデル(現実世界の物理的な変化や挙動をシミュレーションして予測するモデル)「NVIDIA Cosmos 3」を発表しました。このモデルは、テキスト、画像、動画だけでなく、環境音やアクション(行動指令)をネイティブに理解・生成できるマルチモーダル(複数の異なる種類の情報を同時に処理できる性質)な「オムニモデル」です。本モデルの導入により、従来数ヶ月を要していたロボットや自動運転システムの訓練・評価サイクルが数日に短縮されることが期待されます。
「Cosmos 3」は、用途に合わせて3つのサイズで展開されます。最高レベルの物理精度を持ち、ロボティクスや自動運転などのポストトレーニング(事後学習)に適した大規模モデル「Super」、遅延を抑えた「Nano」、そしてロボット端末などのエッジデバイス(端末側の機器)で動作する「Edge」が用意されています。また、Black Forest LabsなどのAI企業と協力する「Cosmos Coalition」を立ち上げ、エコシステムの拡大を図っています。
NVIDIAのバイスプレジデントであるディープ・タラ氏によると、物理世界での知能は、人間による最終確認が可能なデジタルAI(90〜95%の精度で許容されるもの)とは異なり、間違いが許されないため極めて高い精度が要求されます。しかし、インターネット上のデータで学習できた従来の言語モデルと違い、物理世界のデータ収集は困難です。そこで、環境全体をシミュレートしてデータを補う「合成データ生成(人工的に生成された学習用データ)」が不可欠であり、世界基盤モデルであるCosmos 3がその役割を担います。
近年進化しているエージェンティックAI(自律的に計画を立てて意思決定するAI)は、物理的なロボットシステムの統合にも寄与しています。NVIDIAは、GPU(グラフィックス処理プロセッサ)を用いた汎用計算ツール群である「CUDAライブラリ」をエージェント向けに最適化しました。これにより、人間が介在せずにAIエージェント自身がソフトウェアの統合やシステムの構築を行える環境が整いつつあります。
Cosmos 3は完全にオープンなモデルとして提供されるため、世界中の研究者や開発者が独自の環境に合わせてカスタマイズ可能です。フィジカルAIの開発が加速することで、工場での労働力不足の解消や危険作業の代替が期待されています。編集部注:家庭向けロボットなどの普及には、安全基準のクリアやさらなる知能の向上が必要であり、本格的な社会実装にはまだ一定の時間がかかると見られます。

Impress Watch
NVIDIA、フィジカルAIのための世界モデル「Cosmos 3」発表 - www.watch.impress.co.jp
NVIDIAは1日、ビジョン リーズニング、ワールド生成、アクション予測を単一のシステムに統合した、フィジカルAI用のオープンな世界基盤モデル「NVIDIA Cosmos 3」を発表した。
https://www.watch.impress.co.jp/docs/news/2113492.html

AI Watch
NVIDIAタラ氏が語るフィジカルAIの今と未来 - Impress Watch
NVIDIAは6月3日、台北市内でロボティクスおよびエッジAI担当バイスプレジデントのディープ・タラ氏を囲むラウンドテーブルを報道関係者向けに開催した。同氏からはフィジカルAIを巡る最新の動向が語られた。
https://ai.watch.impress.co.jp/docs/news/2114262.html