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米NVIDIAは、台湾の台北で開催された「COMPUTEX 2026」にて、同社最大となる5,500億パラメータのオープンAIモデル「Nemotron 3 Ultra」を正式に公開しました。本モデルは、自律的にタスクを計画・実行・反復する「AIエージェント」(人間の代わりに自律して作業を行う仕組み)のワークフローや、複雑な多ステップの推論処理に特化して設計されています。従来の同クラスモデルと比較して最大5倍の処理スループット(時間あたりの処理量)向上と、最大30%の推論コスト削減を達成したとしており、自律型エージェントの実用化に向けた大きな進展と見られます。

Nemotron 3 Ultraは、必要なニューラルネットワーク領域のみを選択的に動作させる「MoE(混合専門家モデル)」を改良した「Latent MoE」技術と、長文の処理効率を高める「Mamba」アーキテクチャを採用しています。これにより、5,500億という膨大なパラメータ数でありながら、実際に動作するアクティブパラメータは550億に抑えられています。また、最新の「NVFP4(4ビット浮動小数点数)」トレーニング技術と組み合わせることで、HopperやBlackwellといった同社のGPU環境において、処理スループットを従来比で5倍に向上させています。
NVIDIAは単にモデルを提供するだけでなく、安全なコード実行環境「NVIDIA OpenShell(オープンシェル)」や、これらを統合する構築フレームワーク「NVIDIA NemoClaw(ネモクロー)」も同時に発表しました。これにより、AIエージェントが任意のコードを実行する際の安全性を確保し、企業の開発者が実運用システムとして導入しやすい環境を整備しています。さらに、多言語対応のリアルタイム音声認識モデル「Nemotron 3.5 ASR」なども合わせて提供し、音声対話エージェントの開発支援も強化しています。
本モデルは、Linux Foundation(リナックス財団)が策定した、オープンなAIモデルの配布に適したライセンス「OpenMDW-1.1」のもとで提供されます。これによりライセンス上の曖昧さが解消され、企業や開発者がモデルを安全にカスタマイズ・再配布できるようになっています。中国メーカーのモデルがベンチマーク(性能測定試験)で競い合う中、NVIDIAはインフラ側の独占的地位に甘んじることなく、モデル層でもオープンなエコシステムを主導する構えを見せています。
「Nemotron 3 Ultra」の公開は、推論コストの削減と高精度なAIエージェントの構築を両立させることで、エンタープライズ(企業向け)市場でのAI普及を強く後押しすると見られます。特に、最大5倍の処理スループット向上は、企業のシステム運用コストの低減に直結するため、実用的な自律型エージェントの普及に向けた起爆剤となり得ます。NVIDIAが半導体からモデル、セキュリティ環境までを網羅するフルスタック戦略を推し進める中、AIエージェント市場における同社の主導権争いはより一層激化していくと予想されます。
SiliconANGLE
Nvidia gives developers the tools to build secure, autonomous AI workers that scale - siliconangle.com
Nvidia gives developers the tools to build secure, autonomous AI workers that scale - SiliconANGLE
https://siliconangle.com/2026/06/01/nvidia-gives-developers-tool-build-secure-autonomous-ai-workers-scale
ITmedia NEWS
Microsoft、NVIDIAと共同設計のPC「Surface Laptop Ultra」発表 AIモデルのローカル実行可能 - www.itmedia.co.jp
Microsoftは、新ノートPC「Surface Laptop Ultra」を発表した。NVIDIAと共同設計したSoC「RTX Spark」を搭載する初のSurfaceで、1ペタフロップスのAI演算性能を誇る。最大128GBのユニファイドメモリを備え、1200億パラメータのモデルをローカルで実行可能だ。2026年秋に発売予定。
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2606/01/news098.html