Googleは、開発者向けカンファレンス「Google I/O 2026」にて発表した最新AIモデル「Gemini Omni」および「Gemini 3.5 Flash」の能力を示す9つのデモ動画を公式ブログで公開しました。今回公開されたデモでは、対話的な指示で元の動画の物理法則やキャラクターの一貫性を維持したまま編集する「Gemini Omni」の実力や、自律型AI実行フレームワーク「Antigravity」と連携して複雑なマルチステップの作業やエージェント開発を自律処理する「Gemini 3.5 Flash」の革新的な性能が明らかになりました。
1. 会話で動画を高度に編集する「Gemini Omni」
Gemini Omniは、動画・画像・音声・テキストなどをシームレスに組み合わせて処理できる最新モデルであり、動画を入力した「動画から動画の編集・生成」において圧倒的な性能を発揮します。
- 一貫性を保った編集: 会話形式の自然言語で指示を重ねるだけで、動画内のキャラクターや背景、物理的な挙動、前後のコンテキストを保持したまま部分的な修正や全体的な世界観の作り替えが可能です。
- 指示の例: バイオリニストが演奏する動画を入力とし、「バイオリニストを画像環境にワープさせて」「バイオリンを透明にして」「カメラアングルを奏者の肩越しに変更して」といった指示を順次重ねて高度なシーン変換を行う様子がデモで披露されました。
- 展開状況: YouTube ShortsやYouTube Createアプリのユーザーに無料で提供が開始されているほか、数週間以内には開発者や企業向けにAPIが提供される予定です。
2. 「Antigravity」と連携し自律エージェントを動かす「Gemini 3.5 Flash」
Gemini 3.5シリーズの第一弾となる「Gemini 3.5 Flash」は、俊敏性と高度な実行能力(アクション)を両立させたモデルです。
- Antigravityハーネスとの連携: GoogleのAI自律実行インフラ「Antigravity」と統合されることで、3.5 Flashは複数の協調型サブエージェント(collaborative subagents)を大規模にデプロイし、複雑で長期にわたるタスクを処理できるようになりました。
- デモでの実力: 構造化されていないファイルやアセットを、動的な基準に基づいて自動的にリネーム・分類するマルチステップの自律ワークフローが紹介されました。
- 優れたUI/UX構築能力: Google AI Studio上で、わずか60秒の間にオンライン決済(チェックアウト)フローにおける異なる複数のUXデザインとアプローチを自動生成する様子が示されています。
3. Google 検索や日常機能へのエージェント導入
Gemini 3.5 Flashの高度なエージェント・コーディング能力は、Googleの基幹サービスである「検索」や日常のアプリに深く組み込まれていきます。
- 情報エージェント (Information Agents): 検索のバックグラウンドで24時間稼働し、情報を整理・分析して必要な時に最適な回答を提案するエージェント機能が、今夏よりGoogle AI Pro / Ultraの有料会員向けに順次提供されます。
- ジェネレーティブUI (Generative UI): 検索結果の中にその場でカスタマイズされた「ダッシュボード」や「トラッカー」、「簡易アプリ」などのインタラクティブなUIを自動生成して提供する機能も無料ユーザー向けに今夏登場予定です。
- Gemini Spark: Antigravityハーネスで動作し、GmailやGoogle DocsなどのGoogle Workspaceと深く連携した24/7稼働のパーソナルAIエージェント「Gemini Spark」も、米国のAI Ultra会員向けにすでに提供が始まっています。
Googleが今回デモを提示した「Gemini Omni」と「Gemini 3.5 Flash」は、単なるテキストチャットの枠を大きく超え、AI自身がシステムやコンテンツを自律操作する「エージェント時代」の本格的な到来を強く印象付けるものです。特に「Antigravity」インフラとの融合により、複雑なシステム作業やアセット管理、コーディングをAIが自律的かつ協働的に処理するアプローチは、今後の開発者や一般のビジネスユーザーの働き方を根底から変える力を持っています。今夏にも検索エンジンの中にジェネレーティブUIや情報エージェントとして組み込まれることで、何十億ものユーザーが日常の中でエージェント型AIの便益を直接体感することになるでしょう。